先週のことですが、あるバイクショップの社長のご子息が他界されました。
社長とは私自身が川崎重工から独立して、今のお店を始めてからのお付き合い
なのですが、個人的に社長の人柄が大好きで、ご自宅へもお邪魔したことが
あります。
何が理由で大好きなのかは上手く言えません。
同業者なので商売の話も当然しますが、社長の話には全く壁が無いんです。
裏も感じません、腹の探りあいなんて全く感じません。
いつの間にかお互いの趣味の話になっている場合がほとんど・
今年のカワサキのディーラーミーティングの時も同じ部屋で、夜中の3時頃まで
あれやこれやと話し込んでいました。
お通夜で見た社長の顔。
当たり前ですが、いつもの『おぉー!西っさん!』、という掛け声はありません。
『迷惑掛けてすまんなぁ・・・』
そう言った社長の顔は、完全に力が抜けて、眉は力を失っていました。
16年前の交通事故の後遺症が原因での急逝だそうです。
32歳、逝くには若過ぎます。
つい2週間ほど前、お店を訪ねた時に元気な彼と談笑したばかりだと言うのに・
どうして不幸は重なるんだろう・・・
社長の奥様は、ご子息がまだ幼い頃に、交通事故で亡くなっています。
平行して走るスクーターとトレーラー、全くの被害者でした。
俗に言う、因果応報などと言う言葉とは全く無縁の、正に不運としか言い様の無い
事故。
そして、兄弟唯一の男の子も・
私には男の子の子供はありません、男の子も女の子も子供に違いありませんが、
オヤジの気持ちを、同じ男として考え、理解するのは男でないとできません。
無くなった息子さんが社長のことをどう見ていたのかは私の知るところではありま
せんが、男手一つで育て上げてきた親とその子供、その愛情の深さは私には計り
知ることはできません。
私は社長に話し掛ける言葉が出てきませんでした。
『何にも力になれずにすいません』
『辛いでしょうが・・・・』
昔から思っています。
もし、運命を操る神様がいるとするならば、クソ食らえです。
全ての運命は自然の力、原理で動いている。
捨て切れない悲しみの部分を神様にお願いして生きる力を与えてもらっている
弱い人間。
猛禽を飼い馴らす社長であれば充分解っています。
鷹の気高い姿だけが社長の唯一の慰めになるのかもしれません。

どうか早く元気になってください。