現在私の愛車は2003年限定モデルのW650(EJ650−D1)です。

どちらかというと『コーナリング』を楽しむタイプの走りが好きなために軽快で小回りの効くハンドリングのバイクを乗り継いで来ました。
Wの前はZRX1100、その前はゼファー750でした。

99年、W650が発売された時は『乗ってもいいか!?』的な感じで初期型W650(ローハンドル)をお店用の試乗車としておろし、お店でのツーリングなどで約1,500Kmほど使用したました。
初めて乗った感じは『あれ!・なんか違う…』といった感じで、静かに・しかもとってもスムーズに回るエンジンに対して、もっと360度クランクのツインエンジンらしいトルク感、鼓動感が欲しい・と思いました。

われわれ昭和30年代生まれの人間は、『W』という名前を聞くと、どーしてもあの『W1』を想像してしまいます。しかも乗った経験があるものですから余計です。

実際、発売当時試乗に来た同年代の人達は一様にほぼ同じ印象を語ってくれました。

『このバイクはW1ぢゃありませんから!』という言葉を何度も言った憶えがあります。

ツーリングに使用した感じはどうだったかと言いますと・('99初期型モデルについての話です)

 


 ハンドリング:

  • うぉ!これぞ19インチ!慣れ親しんだZ2の感触!^^・そんな感じで、極端な言い方をすれば、『オリャ!と腰を入れて、後からフロントホイールが向きを変えてくれる感じ』です。当然ステアが後からなんて不自然なことはありませんが、コーナリングの感触を腰で感じ取りやすいハンドリングで、Z2以来相変わらずクセの無いニュートラルなカワサキらしいハンドリングです。


  サスペンション:

  • 前後ともに柔らかすぎ・と思いました。
    特に私のようにある程度コーナリングを楽しみたい人にとっては、すごく怖い思いをするかもしれない程プアーです。
    実際に、ちょっと飛ばし気味のコーナリング中、途中にあったギャップを越えた時にはショックの反動で強烈なオツリをもらい、振れまくったことがありました。
    それと、結果的に転倒してしまいましたが、柔らかすぎるフロントフォークとホイール回りの剛性不足も感じます。
    実際に’01モデル以降のフロントフォーク、ホイール回りはアクスルシャフトの直径アップ、フォークシリンダの減衰力増加、フォークスプリングの変更・キャスター角、ホイールベースの変更等々と改善が加えられています。*’04以降の変更はWらしい乗り味をより楽しむための変更になっていると思います。
    高速走行時の振れ・も同じ理由で、改善のきっかけになったものだと思います。
    『Wらしい走り=レトロチックな雰囲気での走り』をテーマに造られたW650・きっと乗り心地や雰囲気を重視して造られたのでしょう。
    しかし、現在の交通事情はレトロチックではありません。メーカーではそんなことは充分考慮に入れて製作されたはずなんですが、やはり『W』というネーミングへのこだわり、思い入れがそうさせたんでしょうか、現在のバイクに乗りなれたライダーが現在の状況で使用してみたら何かと想定外の、現実的な問題が出てきた・といった感じです。


  エンジン:

  • レッドゾーンまでスムーズにストレス無く回り、振動も少なく音も静かでトルクフル。良く出来たエンジンだと思います。
    さすがにエンジンの性格上、高速での加速性能(結局はパワーの問題になりますが・)には若干不足を感じますが、これは今のハイパワーなバイクに乗り慣れた人間だからこそ感じることであって、W650というバイクの性格からすると全く問題の無いレベルのものです。
    W650の百倍もトルクフルな感じのする音のW1ですが、乗ってみると雲泥の差です(実際にW1の鼓動感が欲しくてW1SAを買ってしばらく乗ってました ^^;)。
    70キロで走っている時、4速しかないギヤを1速シフトダウンして、なおかつ充分な助走距離をとってからでないとなかなか追い越しできないW1に比べ、プイっと抜いて行けるW650はW1とは全く別物の性能を持っています。

    以下は自分のバイクにして2年間乗り込んだ今思うことですが・
    せめて音だけでもW1の音を・そう思って、社外品のマフラーも検討していましたが、ストックの静かなマフラーで走り続けていて、ストックだからこそ聞こえる(感じることのできる)エンジン音が気に入っています。
    入れたオイルや油温によって変化する音、エンジンフィール、走り込むにつれてその変化を『気にする』のではなく『楽しむ』ことができて、今のところ音量の大きいマフラーに変えるつもりは全くありません(嫌いなわけではないのでチャンスがあれば変えてみたいとも思ってます。)
  • 燃費について。
    W650のキャブレターには加速ポンプなる機構が付いています。大排気量2気筒エンジンがスロットルに小気味よく反応するはこういった仕組みがあるからです。
    加速ポンプはスロットルを開けると機械的な仕組みでポンプに圧がかかり、チャンバー内のガソリンをノズルから噴射します。
    ですから、エンジンがかかっていなくてもスロットルを大きく開閉するとガソリンが噴射されて、キャブレターからインテークマニホールド内にガソリンが溜まってしまいます。
    TMRやFCRなどのレーシングキャブレターでチョークバルブが付いていない物が時々ありますが、そんな時はチョークバルブの代わりにスロットルを数回開け閉めして、それからセルを回してエンジンを始動させます。
    空気を制限して濃い混合気を作るチョークの代わりに、ガスをたくさん噴出させておいて濃い混合気を作るわけです。

    前置きが長くなりましたが、この加速ポンプがついていることを知っているかそうでないかで結構燃費に差が出ます。
    つまり、スロットルの開閉回数がどうしても多くなる市街地と、淡々と一定開度で走り続けられる場合とではかなり差があるということです。
    加速ポンプの有り無しに関わらずどんなバイクでもほぼ同じ傾向はありますが、ポンプ付きの場合はその傾向が特に大きい・ということです。
    このことを意識して走ってみると悪かった燃費が急に良くなる場合もあると思います。
    私のW650の場合はほぼ25〜32キロ/1リットルといったところでしょうか。
    常に燃費を管理しているとエンジン以外に車体も含めてバイクのコンディションを知るきっかけにもなります。
    是非気にしてみてください。

 

 
リヤサスペンション
フロントフォーク
ステンレススポーク
リヤスプロケット
W650パワーチェック パワーチェック
 
 『整備関係』のページにも併載
ヘッドライトケースのビビリ音
チェーンアジャスターの錆び
リヤフェンダーの変形、割れ
 


リヤサスペンション

ほとんど新車の状態でWP(ホワイトパワー)製リヤショックに交換。
WPショック輸入代理店のWM(ダブルエム)さんにてW650用として設定を作っていただいた第一号機のリヤサスです。
出荷時の設定よりイニシャルを約10ミリ抜いて、サグを少し多目の30ミリ弱に、伸び側減衰は11段中4段目の設定で乗っています。
若干柔らか目の設定です。 アクセル全開でのフル加速時は振れが出ますが、ツーリングの時の乗り心地も良く、コーナリング時の感触は実に気持ちの良い動きをしてくれます。

高速道路を多用したり、峠でも、クルっと回って全開!・そんな乗り方が多い場合はイニシャル、減衰ともに更に硬くした方が良いと思います。

次回、O/H時にはバルビングも見直し予定です。







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フロントフォーク

初期型Wの、あのフニャフニャのフォークで怖い思いをしていたために自分用のWは最初からフォークの改良を行う予定でした。
まずは、WPのフォークスプリング&オイル、油面調整、などの極一般的な改良を行いました。

その改良だけでも ストックの状態、しかも初期型Wのフォークに比べるとかなりしっかりと踏ん張りの効くフォークになります。
2001年モデル以降のフォークは、アクスル径の増加やフォークシリンダやスプリングの変更もあって、初期型に比べるとストック状態のままでもかなりイイ感じになっていますから、その一般的なスプリングやオイル交換だけでも充分良いかもしれません。

が、しかし・
ジムカーナやレースなどで、足にこだわるお客さんがスクーデリアオクムラさんに依頼してチューニングを行ったサスペンションを触って、そして乗って見る度に感じた、あの滑らかでしっかりとした動きが忘れられず、Wの前足にも同じチューニングを施してもらいました。フォーク内部に作成、組み込まれた減衰バルブ

結果は、若干の硬さを感じるものの、減衰の効いたスムーズな作動、しっかりとした踏ん張りで走りの楽しさが倍増しました。
特にフォークがある程度入った状態、例えばブレーキングしながらバイクを寝かし始めるあたり、そんな状態の時のサスペンションの動きが素晴らしいです。

コーナーの入り口付近に荒れた路面やギャップがあるような所、そういった状況は特に急な下り坂のワインディングなどに多くあります。
滑りやすい路面だったりするととってもイヤなコーナーですよね。
そんな時にはどうしてもハードなブレーキングで、ストロークの大半を使い切ったフォークは棒立ち状態になってしまい、バイクの寝かし込みのタイミングが取り辛くなってしまいますが、そんな状況でもフォークがしっかりと動いて仕事をしてくれます。
絶対的な速さは別として、乗ったバイクなりにコーナリングを楽しみたいタイプの私の走りにはピッタリとマッチしたフォークに仕上がっています。

そんな素晴らしい動きのフォークですが、約1年強、約5,000Km使用したこの夏、フォークに若干の変更を加えました。

それは、スプリングのレート変更です。
この1年間、ツーリングや練習会で使用してみて思ったことは、スプリングが私の走りにはちょっと固めのような気がする・ということでした。
実際にストロークセンサー(フォークに付けてあるOリング)の位置は、かなりきつめの走りをした後でも全ストロークの7割にも行かない ところで止まっています。
そこで、微妙な硬さのスプリングを作成して組み込んでみました。
オイルと油面はオクムラさんから頂いたデータと同じです。

結果は・・・・ 『Wの前足改良計画・ここに極まる!』 といった感じです ^^/’
上の画像のストロークセンサーの位置、これは、先日のワインディングでちょっと攻め気味に走った時のストローク位置です。
ほぼ全ストロークの80%近くまで 来ています。乗り心地も動きも踏ん張りもバランスが良くて満足のゆく状態に仕上がりました。
この先は、フォークオイルのブレンド具合で細かい味付けを行う予定です。


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フロントフォークセッティングデータ

  • スクーデリアオクムラMEチューニング
  • フォークスプリング:名西カワサキオリジナル(0.74Kg/mm バフ仕上げ)
  • フォークオイル:MOTUL EXPERT #10
  • 油面:120mm
 
 


ステンレススポーク

W650の純正スポークにはコスマー処理というコストのかかる加工が施されています。 防汚、防錆、撥水効果のある樹脂コーティングです。

ですから、私たち販売店はW650の発表説明会の時に、スポークを清掃する際の注意点として『金属ブラシ等を使用しての清掃は厳禁』という説明を受け、お客様への納車の時はその点をちゃんと説明するように・と言われました。

しかし、W650の取り扱い説明書、サービスマニュアル、またはその他の添付資料のどれを見てもそのコスマー処理のこと、清掃時の注意点の説明書きがありません。

ですから、スポークに付着した、洗っただけでは落ちないしつこいブレーキダストや汚れを清掃する時には当然ブラシやスチールウールでゴシゴシ・・・とやってしまうわけで、高価なコスマー処理も剥がされてしまう結果になっている場合が多いようです。

それと、『コスマー処理が施されているから清掃がとても楽!汚れがすぐに落ちる!』
と言った意見を聞いたことがありません。
実際、自分のスポークも洗っていますが、スポーク表面にくっついた、あのブツブツ・という手触りを洗剤で洗っただけでツルン!という感じにすることはできませんでした。

だから・という訳では有りませんが、あっても良いだろうということで、以前からW1などの旧車や、サイドカーなど交換用スポークが手に入らない車用に特注でスポークを作ってもらっていたアメリカのブキャナンズへサンプルを送り、W650用のステンレススポークを製作しました。

まずは自分のWで様子を・・・ということで私のW650は前後ともステンレススポークに張り替えてあります。
ステンレススポークの清掃のし易さは以前から実感していますが、交換後約7000Kmを走行し、ブレーキダストで汚れてきたフロントホイールのスポークを写してみました。解りにくいとは思いますが、画像の中の水色の円内は写真を撮る際に指でサッとスポークを撫でた部分です。
指で撫でただけでスポークの地肌の輝きが現れます。洗剤を使用して洗えばブレーキダストはほぼ完全に洗い落とせます。

純正部品のスポークは他の車種や自転車等も含めて、ほとんどが亜鉛メッキ処理されています。どうしてもっと光沢の良い、錆にも強いクロームメッキがされていないのか・
理由はかなり専門的な、説明の難しい理由(メッキの脆性等)があるようですが、簡単に言ってしまうと、『折れたら危険』だからということのようです。

純正品は焼きが入って、亜鉛メッキされた鋼製で、ステンレススポークよりも硬さ、強度、靭性に優れています。
一方ステンレススポークは 機械的な強度、硬さは鋼よりも僅かに低い程度で、靭性は低い(塑性変形し易い)代わりに破断し難い粘りがあります。

ステンレススポークについてのお問い合わせで『強度はどうなんですか?』という質問が良くあります。
名西カワサキ独自でスポークの機械的な強度測定、材質解析は行っていませんから正確なお答えはできません。
ご自身の責任で改造、カスタムを行える方でなければ(心配であれば・)スポークの交換は止めておいた方が良いかと思います。このことは他の部品、用品全てに共通に言えることです。



ステンレススポークは純正品のスポークに比べると僅かに太く造られています。そのためにリヤホイールへの組みつけの際はハブのスポークホールを通すのに少し強目に力をかけないといけません。
ニップルホールの縁も少し広がってしまいます。ほんの僅かなことですが、外観上ではハブに傷が付くことになります。

このようなことでも気になる場合はアフターマーケット品は組み付けない方が良いかと思います。


*この点について、今のところ諸元変更等を行う予定はありません。

 


                                   
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リヤスプロケット


先日、お客さんが自分のバイクに取り付けたスプロケットを見て、
『あ・カッコイイ!』と思い、W用もあるのかな?
と聞いたら、ありました。

で、早速注文して取り付けてみました。
イギリス製の『ステルス』スプロケットです。
在庫が無かったのでノーマルより1丁大きい39Tにしました。

オレンジ色に見えますが、中央の部分はゴールドのアルマイト(材質は当然アルミニウムです)で、外側の歯の付いている部分はスチール製です。

 

 

 

実際に取り付けた画像です。(カーソルを画像上に持って行ってください)

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